高齢者の延命治療と自宅での看取りについて

高齢者は延命治療を望まなくても実際には自宅での看取りは厳しいという現実
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このページでは、多くの方は延命治療を望んでいないが、実際にはその想いはなかなか成し遂げることができないということについて解説しています。

 

高齢者は延命治療を望まなくても自宅での看取りは厳しい

ここでは、高齢者の延命治療と自宅での看取りの関係について解説しています。

 

高齢者の延命治療の考え方と実態について

平成24年内閣府による・高齢者の健康に関する意識調査によると、高齢者(65歳以上)の延命治療の希望についてみると、65歳以上で「少しでも延命できるよう、あらゆる医療をしてほしい」と回答した人の割合は 4.7%と少なく、一方で「延命のみを目的とした医療は行わず、自然にまかせてほしい」と回答した人の割合は91.1%と 9割を超えたとなっています。

 

延命治療に対する考え方アンケート
考え方としては上記のようになっていますが、その想いはなかなか成し遂げることができないということをご存知でしょうか。

 

延命治療はこのようなシーンではこうなります

末期がんや寝たきりなどで療養している病人の異変に驚いたときに、家族がとる行動としては、当然救急車を呼ぶということになります。

 

そこで、救急病院に行った場合どうなるのか。

 

病院の医師は見るからに、がん末期、老衰とわかっていても医師の務めがあるため、次のことを行います。

 

「後悔しない最後の迎え方」という本の中で立川在宅ケアクリニックの院長は次のように語っています。

 

救急病院に運ばれると医師は次のような手順で治療を始めます。

  1. 気管内挿管、気管挿管と人工呼吸を装着
  2. 心臓マッサージ
  3. 静脈の確保
  4. 動脈確保
  5. 膀胱バルーン留置

そして、酸素投与、昇圧剤の投与、心電図、血圧がモニターされ検査がスタートします。

 

その間に家族が呼ばれ事情を聞かれます。

 

血液検査、エコー、レントゲン検査、CTスキャン、MRI検査・・・。
衰弱した病人の体にはものすごい負担です。

 

この悲惨な状態のまま入院生活のはじまりです。
人工呼吸、点滴の継続により浮腫、腹水、胸水、痰に苦しみられ、その治療のために利尿剤や吸引、昇圧剤の投与・・・

 

何日もこの状態で延命治療が続き、溺死状態でやっと呼吸停止がきます。

 

終末期の患者にこのような濃厚な延命治療が必要でしょうか。

 

いわゆるスパゲッティ症候群。
人工呼吸器は一度装着したら絶対にはずしません。(多くの医師はそう思っています)

 

「人工呼吸器につながれて死ぬのはいやだ」
「家族もそんな死なせ方は嫌だ」

 

そう思っていてもこのように救急車で病院に搬送されたら以上のような措置を行われるのが日本の現状です。

 

尊厳死を希望する人も増えているのは事実です。
病院でも最近は考慮はしてくれますが、切迫した状態で救急搬送された場合には「尊厳死」は望めません。
当番医は、その場で最善をつくし患者の命を救うのが使命ですから。

 

ですからこのような救急病院へ搬送された場合には、本人が望んでいなくても医師としてはその使命もあるので上記のように治療行うことになるのです。ですからなかなか思っているようにはいかないということです。

認知症患者が口から食べられなくなったらどうする

認知症患者が誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)で救急車で運ばれてくると、肺炎の治療が行なわれます。

 

9割がたは軽い肺炎なので1週間位で治ってしまうということですが、問題はいつもその後に「老化が原因で口から食べられない」ということが起こるということです。

 

ここで延命治療をするという選択をした場合は、胃ろうをつけるということです。

 

胃ろうとは、お腹にあけた穴にチューブを通し、そこから食物や水、医薬品を流し込む方法で、取り付けた器具を胃ろうカテーテルといいます。

 

本人の意志が不明なため、胃ろうを付けるかどうかは医師の判断に丸投げされます。
医師が胃ろうをつけないという提案をした場合は、家族全員から了承を得なければいけないことになります。
この場合は、当然話はまとまらないほうが多くなるため、そのようなことはせず無難な方法をとります。

 

その結果が、胃ろうを付けるということになります。

 

この方法が本質的にはいいと思っていない医師は多くいるはずですが、手っ取り早い方法を選択しているというのが実情のようです。

 

ですから胃ろうまでつけて長生きしたくないと本人は思っていても、認知症になってしまっては、医師や家族の判断になってしまいますから、上記と同様に本人の望みとは違うことになる場合もあるということです。

 

以上、「高齢者は延命治療を望まなくても、実際には自宅での看取りは厳しいのが現実」でした。

 

該当カテゴリー:高齢者
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