サービス付き高齢者向け住宅選びで知っておきたポイント

サービス付き高齢者向け住宅とはハード面ではバリアフリー構造となっており、高齢者にふさわしい住まいです。またソフト面においては安否確認や生活相談サービスの提供が必須となっています。
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サービス付き高齢者向け住宅で知っておきたい重要項目

サービス付き高齢者向け住宅を略して「サ高住」といいます。統計によりますと、サービス付き高齢者向け住宅への入居者は要介護度2までの方が64.7%、要介護3以上が30.7%、不明は4.5%となっています。この点を有料老人ホームと比較しますと、要介護度2までの方が約54%、要介護3以上が41.2%、不明4.7%ですので、サービス付き高齢者向け住宅のほうが要介護度の低い方の入居者が多いことがわかります。

ところで、サービス付き高齢者向け住宅とはどのような住宅をいうのか、そしてどのような特長があり、入居資格や料金などはどうなっているのかについてご紹介していますので最後までご覧ください。

 

サービス付き高齢者向け住宅とは?

サービス付き高齢者向け住宅は、略して「サ高住」とも言いますが、高齢者が安心して居住できるように以下の特長を持っている住まいです。

 

  • バリアフリー構造等を有する
  • 安否確認や生活相談サービスの提供が必須
  • 介護・医療と連携している

 

このような住まいを「サービス付き高齢者向け住宅」いいます。
管轄は、国土交通省になり都道府県に登録を義務付けている住宅です。2014年5月現在、全国には4653棟数、148,632戸数が登録されています。

 

サービス付き高齢者向け住宅にあるふたつのタイプ

サービス付き高齢者向け住宅には特定施設の指定があるものと通常(非特定施設)のサービス付き高齢者向け住宅の2つのタイプがあります。

 

特定施設とは?

特定施設とは、介護保険の「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設のことで、施設内で生活をしながら排泄や食事、入浴などの介護サービスが受けることができる施設のことをいいます。介護度が重くなっても一定の料金負担で介護サービスを受けることができるので安心です。介護付き有料老人ホームも特定施設になります。

 

通常(非特定施設)のサービス付き高齢者向け住宅とは、特定施設の認可を受けていないタイプです。ですので、介護保険サービスを受ける場合には外部の訪問介護事業者と提携してサービスの提供を行うことになります。

 

サービス付き高齢者向け住宅の入居資格について

サービス付き高齢者向け住宅の入居資格は、単身世帯であれば、60歳以上の高齢者または要介護・要支援認定を受けている方になります。

 

その方に加えて同居者がいる場合は、配偶者や60歳以上の親族、要介護・要支援認定を受けている親族・ 特別な理由により同居させる必要があると知事が認める者です。

 

サービス付き高齢者向け住宅の規模・設備について

サービス付き高齢者向け住宅は、各専用部分の床面積は、原則25㎡以上でバリアフリー構造である必要があります。

 

ただし、居間、食堂、台所そのほかの住宅の部分が高齢者が共同して利用するため十分な面積がある場合は18㎡以上でも認められます。

 

また、各専用部分に、台所、水洗便所、収納設備、洗面設備、浴室を備えている必要があります。ただし、共用部分に共同して利用するため適切な台所、収納設備または浴室を備えることにより、各戸に備える場合と同等以上の居住環境が確保される場合は、各戸に台所、収納設備または浴室を備えずとも可となっています。

 

サービス付き高齢者向け住宅のサービスについて

ケアの専門家が少なくとも日中建物に常駐し、安否確認サービスと生活相談サービスの提供が必須となっています。

 

ケアの専門家とは?
社会福祉法人・医療法人・指定居宅サービス事業所等の職員、医師、看護師、介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、介護職員初任者研修課程修了者をいいます。

 

またこれらのサービスの他に、介護・医療・生活支援サービスが提供・併設されている場合があります。

 

サービス付き高齢者向け住宅の入居にあたってのメリット・デメリット

サービス付き高齢者向け住宅にもメリットとデメリットがありますので入居前に把握しておく必要があります。

 

サービス付き高齢者向け住宅のメリット

サービス付き高齢者向け住宅のメリットです。

 

  • 一般住宅のように暮らしの自由度が高い
  • バリアフリー構造となっている
  • 介護保険サービスの業者は自分で選択できる
  • 都道府県等に届け出ているので安心できる
  • 要介護度が低くても入居ができる
  • 風呂付き居室も選択できる
  • 数多くのサービス付き高齢者向け住宅が建設されているため選択肢が幅広い
  • 初期費用を定額に抑えることができる
  • 一方的に退去させられる心配がない

 

サービス付き高齢者向け住宅のデメリット

サービス付き高齢者向け住宅のデメリットです。

  • 介護保険サービスを訪問介護により受ける場合には定額制ではないため利用が多くなるにつれて自己負担額が増える(従量制)
  • 要介護度が高くなると退去しなければならない場合がある
  • 夜間にスタッフが無人となるところもあるので見守り体制が十分でない場合がある

 

サービス付き高齢者向け住宅の実態状況

サービス付き高齢者向け住宅の実態として、要介護者の入居状況、入居者の認知症の程度、医療処置を要する入居者数についての統計です。

 

出典:平成26年度老人保健健康増進等事業分、「高齢者向け住まいが果たしている機能・役割等に関する実態調査 」 (株式会社野村総合研究所)

 

入居者の要介護度

サービス付き高齢者向け住宅の入居者のうち、自立から要介護2までの軽度要介護者は約65%、要介護3~5までの重度要介護者は約31%となっています。

 

入居者の認知症の程度

サービス付き高齢者向け住宅では、認知症のない者が約31%で最も多い。日常生活に支障をきたす様な症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られる認知症判定基準Ⅱ以上の入居者も約40%存在しています。

 

医療処置を要する入居者数

サービス付き高齢者向け住宅では、医療処置を要する入居者は平均2.5人です。医療処置を要する入居者がいないものが最も多く約32%ですが、10人以上のものも約5%存在しています。

 

居室面積

最多居室が18~25㎡のものが約70%です。25~30㎡のものが約19%となっています。

 

高齢者向け住宅の入居者のサービスに関する不満事項

平成25年度 国土交通省調査が「高齢者向け住宅に係る情報提供及び事前説明のあり方に関する調査」(高齢者向け住宅に住み替えた40~89歳の男女等を対象にWEBアンケート実施)した調査によりますと次のような結果になっています。

 

  • 特に不満はない(なかった):53.1%
  • 職員の数が少ない:16.2%
  • 食事サービス内容の不満:13.6%
  • 介護サービスの内容が不満:13.4%
  • 医療対応に関する不満(医療との連携が手薄):12.5%
  • 職員がよく交代する・すぐ辞める:10.6%
  • サービスを提供する職員のレベルが低い:9.3%
  • 生活支援サービスの内容が不満:8.5%
  • 職員の対応が悪い(態度や言葉使い):5.8%
  • 緊急時のすぐに対応してくれない(放置された):5.1%
  • その他:4.7%
  • 途中でサービスの内容や質が変わり不満:4.6%
  • ターミナルケア(終末期ケア)や看取りに不満:3.1%

契約にあたっての注意事項について

サービス付き高齢者向け住宅の契約にあたり、いくつか注意事項があります。

 

  1. 書面により契約を締結する必要があります
  2. 専用部分が明示された契約でなければいけません
  3. 賃貸借方式の契約と利用権方式の契約があり、いずれの場合も、長期入院などを理由に事業者から一方的に解約できないことになっている等、居住の安定が図られた契約内容になっていなければいけません
  4. サービス付き高齢者向け住宅では、月払いの賃貸借方式が多いですが、賃貸借方式でも、終身賃貸事業者の事業の認可を受けている建物と受けていない建物があります。終身賃貸事業の認可を受けいている場合は、「高齢者の居住の安定確保に関する法律」に基づき、高齢者が死亡するまで終身にわたり居住することができ、死亡時に契約が終了する相続のない「一代限り」の契約になります
  5. 受領することができる金銭は、敷金、家賃・サービスの対価のみです。権利金やその他の金銭を受領することはできません
  6. 入居後3月以内に、契約を解除、または入居者が死亡したことにより契約が終了した場合、(契約解除までの日数×日割計算した家賃等)を除き、前払金を返還しなければいけません
  7. 家賃・サービスの対価の前払金を受領する場合は、前払金の算定の基礎、返還債務の金額の算定方法が明示されていなければいけません
  8. 返還債務を負うことになる場合に備えて、前払金に対し、必要な保全措置が講じられていなければなりません
  9. サービス付き高齢者向け住宅の工事完了前に、前払金を受領することはできません

サービス付き高齢者向け住宅の費用について

サービス付き高齢者向け住宅に入居する費用には、入居時に掛かる費用と、その後毎月掛かる費用があります。

 

入居時に掛かる費用

入居時に掛かる費用は、敷金で家賃の1~3ヶ月分です。なお礼金は必要ありません。

 

家賃の前払金について
将来の家賃等をあらかじめ支払っておくことにより、毎月の家賃を低く抑えることができる方式で前払金があります。この前払金は、契約者が死亡、もしくは解約されたときに返還金があるのだけど事業者によって計算方法が異なるので、契約前に確認することを忘れないようにご注意ください。

 

毎月かかる費用について

毎月掛かる費用は家賃や共益費、サービス提供費等で次のとおりです。

 

家賃

家賃は、所在地や専有面積によって違います。約4万円から高いところは87万円まで様々です。高齢者住宅財団(財団)の調査研究によると、全国の全住戸(65,647 戸)の平均家賃額は64,178円です。

 

共益費

2~3万円。食堂、ラウンジ、浴室など共用部分の維持・管理に充てられる費用、全国平均は18,470円です。

 

サービス提供費

2~5万円。サービス提供費には2つあります。ひとつは状況把握サービスといい、入居者の心身の状況を把握し、その状況に応じた一時的な便宜を供与するサービスです。

 

もうひとつは、生活相談サービスといい、入居者が日常生活を支障なく営むことができるようにするために入居者からの相談に応じ必要な助言を行うサービスの費用になります。

 

医療費・薬代・オムツ代

0~3万円。利用する、しないがあるので、人それぞれです。

 

食費

食事を用意してもらう場合に掛かるのが食費。必須ではありません。

 

水道光熱費や雑費

0.5~1.5万円。自分で使用した水道や電気料金、雑費など

 

介護保険サービスの自己負担分

介護保険サービスを受けた場合には、自己負担分1割、もしくは2割の負担があります。
特定施設でなければ、訪問介護サービスを利用することになります。そのため介護サービスを利用する時間や回数が多くなるにつれて料金負担が増します。

 

つまり要介護度が重くなればなるほど負担が増え、限度額を超えた分は全額自己負担となりますので、特定施設よりも負担が増えてしまう点に注意が必要です。

サービス付き高齢者向け住宅のまとめ

サービス付き高齢者向け住宅は、略して「サ高住」ともいいます。都道府県知事に届け出をした建物で、高齢者が安心して居住できるように、以下の基準が必須の住まいです。

  • バリアフリー構造等を有する
  • 安否確認や生活相談サービスの提供を行なう
  • 介護・医療と連携している

 

サービス付き高齢者向け住宅は、2つんpタイプが存在しています。ひとつは、特定施設指定のある建物で、もうひとつは通常のサービス付き高齢者向け住宅です。

 

サービス付き高齢者向け住宅の入居資格は、単身世帯であれば、60歳以上の高齢者または要介護・要支援認定を受けている方になります。その方に加えて同居者がいる場合は、配偶者や60歳以上の親族、要介護・要支援認定を受けている親族・ 特別な理由により同居させる必要があると知事が認める者となっています。

 

費用については、入居時に掛かる費用と、その後毎月掛かる費用があります。毎月の家賃を低く抑えることができるように「前払金制度」もあります。前払金は、契約者が死亡、もしくは解約されたときに返還金がありますが事業者によって計算方法が異なるため、契約前に確認することが必要です。

 

以上、「サービス付き高齢者向け住宅選びで知っておきたポイント」についての解説でした。

 

該当カテゴリー:介護施設
関連カテゴリー:介護保険の基礎高齢者

 

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