介護保険制度と保険料について徹底解説

このページは、社会保険の中のひとつである介護保険制度をまとめて解説しています。

 

介護保険については、39歳までは無縁ですが、40歳以上になると被保険者となり、保険料の支払いがはじまります。また自分が40歳にもなると、親も60代や70代という年齢になり、介護保険がグッと身近に感じるようになります。

 

よく聞くのが、内臓は元気でも脳の衰えである認知症の存在。
わたし管理人の妹の嫁ぎ先の親も認知症に認定されています。

 

厚生労働省の調査では、65歳以上の4人に1人が認知症とその予備軍となる計算になるといわれています。そしてこれから団塊の世代が70代に近づきつつあり、ますます介護保険の存在がクローズアップされるようになってきています。

 

そこで、今回は介護保険についての概要と申請手続き、要介護認定の有効期限、介護の相談窓口等について解説していますので最後までご覧ください。

 

 

介護保険制度とはどういう保険なの

 

要介護/要支援認定者の推移

介護保険が始まった2000年から2013年までの要介護(要支援)認定者数の推移をグラフ化したものです。

 

下記グラフをご覧いただけるとわかりますが、2000年4月は、要介護(要支援)認定者数は、218万人だったものが、2013年4月認定者数は、564万人にもなっています。

 

おおよそ2.6倍にもなっています。

 

介護保険制度,要介護状態目安,

 

介護保険制度の要支援や要介護状態の目安は?

要支援、要介護のおおまかな目安としては、以下の表のような状態をいいます。
おおまかな目安ですので、同じ介護度でも認定を受けた方の状態によっては完全に一致しない場合がありますのでご注意ください。

 

区分 状態(おおまかな目安)
要支援1 介護は必要ないものの生活の一部に支援が必要な状態。介護サービスを適応に利用すれば心身の機能の改善が見込まれる
要支援2 要介護1と同様の状態ではあるものの、介護サービスを適応に利用すれば心身の機能の改善が見込まれる状態
要介護1 立ち上がりや歩行が不安定。排泄や入浴などに部分的な介助が必要な状態
要介護2 立ち上がりや歩行などが自力では困難。排泄や入浴などに一部または全面的な介助が必要な状態
要介護3 立ち上がりや歩行などが自力ではできない。排泄や入浴・衣服の着脱など全面的な介助が必要な状態
要介護4 日常生活のうえでの能力の低下がみられ、排泄や入浴・衣服の着脱など全面的に介助が必要な状態
要介護5 日常生活全般について全面的な介助が必要な状態。意志の伝達も困難となる状態も含む

 

 

介護認定のための申請はどうすればいいの?

65歳になると、介護認定に関わらず市役所や町役場などから「介護保険証」が交付されるのはご存知でしょうか。

 

介護保険証があるから介護保険サービスが利用できるというわけではありません。介護保険サービスを受けるには、介護状態が調査診断され、要支援や要介護認定がなされないと利用することができません。

 

では、介護認定を受けるためには、どうすればいいのでしょうか。

 

その流れを見ていきましょう。

 

まず、介護認定のためには、市町村(保険者)に所定の申請書を提出することから始まります。下の図をご覧いただければ流れが理解できると思います。

 

介護保険制度,要介護状態目安,

 

介護保険認定申請書を提出するのに家族以外でも提出できますか?

はい。成年後見人や民生委員、介護相談員、社会保険労務士、地域包括支援センター、居宅介護支援事業者、介護保険施設(厚生労働省令で定めるもの)などが代行することが認められています。

申請書と一緒に65歳からの第1号被保険者は、介護保険被保険者証、40歳から65歳未満の第2号被保険者は医療保険被保険者証(健康保険証)を添えて提出することが必要です

 

介護保険の認定調査について

申請を受け付けた市町村では、認定調査を実施すると同時に主治医の意見書を取得します。

 

認定調査とは、全国一律の判定基準で行います。市町村の担当者やケアマネージャーが自宅や入院・入所先を訪問して本人と面接を行い、この時に法令で定められた身体機能・起居動作、生活機能、認知機能、精神・行動障害、社会生活への適応、過去14日間にうけた特別な医療についてなど基本調査74項目と具体的内容を記入する特記事項を行う調査です。

 

介護認定審査会による審査・判定について

認定調査の結果から「一次判定」を行います。
ただしここでは、一定の統計的な算出方式にあてはめて認定の目安を示すものであるため、介護認定審査会(保健・医療・福祉に関する専門員5人程度で構成されています)で二次判定が行われます。

 

二次判定では、

  • 認定調査基本項目に基づいたコンピュータ判定
  • 認定調査員による特記事項
  • 主治医の意見書

を基に最終的な判定を行います。

 

二次判定の手順

 

  1. 特定疾病の確認(第2号被保険者の場合のみ):第2号被保険者は、特定疾病が原因となっている場合のみ要介護認定が行われます。
  2. 一次判定結果の修正・確定:調査の結果が特記事項や主治医意見書と矛盾がないか確認します。
  3. 介護の手間に掛かる審査判定:介護の手間の多少について議論し、特記事項・主治医意見書の具体的記載から特別に必要と示される場合にのみ一次判定を変更します。
  4. 有効期間の設定:原則となる期間の短縮・延長性について検討します。有効期間は、新規が6ヶ月、更新12ヶ月ですが、状態に応じて短縮・延長が行われます。
  5. 介護認定審査会として付する意見の検討:全体的な状況から認定有効期間の設定を行います。必要に応じ、要介護状態の軽減、または悪化の防止のために必要な療養について意見を付けます。

原則として申請から30日以内に認定結果が通知されますが、30日以上かかる市町村もあります。

 

要介護認定、要支援認定が行われた場合、市町村から「要介護認定結果通知書」により通知されます。

 

認定開始日は、申請日にさかのぼって開始となります。

 

認定に不服があったらどうすればいいの?

その場合は、まず市町村に、要介護認定結果が出た過程について説明を受けてみましょう。説明を受けた結果、市町村の把握している内容が、要介護認定申請を行った時の実態と異なる場合等は判定の妥当性について、介護保険審査会に審査請求を行うことができます。

 

介護保険審査会とは

介護保険法では、専門の第三者機関である介護保険審査会を都道府県に設置することになっています。この審査会は、市町村での要介護認定に対する不服申し立てや保険料その他法律の規定による徴収金に関するものに対応していただける組織です。

 

被保険者を代表とする委員3名、市町村代表3名、3人以上の公益を代表する委員で構成されていますが、要介護認定に関係することは、公益代表委員の3人だけからなる合議体において扱うことになっています。
※ 要介護認定の通知を受け取った日の翌日から60日以内に審査請求する必要があります。

2015年4月改正:要介護認定の有効期間について学びましょう

要介護認定されても、ずーっと、有効なわけではありません。要介護認定には、有効期限があるからです。
この有効期限が切れる前に再度申請の手続きをして、要介護認定の更新をすることが必要です。

 

更新の注意点:更新認定後の認定有効期間の開始は、現認定の有効期間満了日の翌日からになります。
新規申請とは違って申請日にさかのぼって開始されません。
ですので、有効期間内に次の認定を間に合わせるには、申請から認定まで約30日間かかりますので、遅くとも有効期間満了日の30日前までに申請を行うことが必要です。

 

申請区分等

原則の認定有効期間 設定可能な有効期間の範囲
新規申請 6ヶ月 3~12ヶ月
区分変更申請 6ヶ月 3~12ヶ月

更新申請

 

前回要支援→今回要支援 12ヶ月 3~24ヶ月
前回要介護→今回要介護 12ヶ月 3~24ヶ月
前回要支援→今回要介護 12ヶ月 3~24ヶ月
前回要介護→今回要支援 12ヶ月 3~24ヶ月
前回要介護→今回要介護 12ヶ月 3~24ヶ月

 

有効期間の開始日から終了日について

要介護認定の有効期間が6ヶ月といっても、いったい、いつからいつまでの期間を指しているのでしょうか。
新規申請の場合では、1日に申請した場合は、当該月の1日が有効期間開始日となり、終了年月日は当該月を含めて6ヶ月間となります。

 

また、月途中での申請は、申請日が有効期間開始日となり、当該月+6ヶ月間となります。下記に例で示してみました。

 

例:新規申請の場合
  • 6月1日に新規申請をして要介護度3に認定された場合:開始年月日は6月1日となり、終了日は11月30日となります。
  • 6月15日に新規申請をして要介護度3に認定された場合:年月日は6月15日となり、終了日は12月31日となります。

 

区分変更申請の開始日から終了日について

新規申請と同じ考えになりますが、前回決定の終了日の翌日から6ヶ月ということではありません。
1日に申請されたときは、当該月の1日が有効期間開始日となり、終了年月日は当該月を含めて6ヶ月間となります。

 

また、月途中での申請は、申請日が有効期間開始日となり、当該月+6ヶ月間となります。

 

例:区分変更申請の場合
  • 要介護認定有効期間満了日(9 月 30 日)であるが、7月1日区分変更申請を行い、要介護状態区分が 4 から 5 へ変更になった場合:7月1日が開始日となり終了日は12月31日になります。
  • 要介護認定有効期間満了日(9 月 30 日)であるが、7月15日区分変更申請を行い、要介護状態区分が 4 から 5 へ変更になった場合:7月15日が開始日となり終了日は1月31日になります。

 

※ 要介護度が軽くなった場合も同じ考え方になります。

 

介護保険制度の保険者と役割について

介護保険の保険者とは市区町村のことをいいます。各市区町村単位になっていますからそれぞれ介護保険についは条例で定められています。
そして次のような役割や業務を担っています。

 

  • 被保険者の資格管理
  • 被保険者台帳の管理
  • 被保険者証の発行
  • 要介護認定
  • 保険給付
  • サービス事業者に関する業務
  • 地域支援事業に関する業務
  • 市町村介護保険事業に関する事務
  • 保険料に関する事務
  • 介護保険制度の運営に必要な規則の制定や改正
  • 介護保険の財政運営

 

 

介護保険制度の被保険者について解説

介護保険では被保険者を40歳以上としています。外国籍であっても、在留資格があり住民登録をしていれば対象になります。

 

ただし、生活保護受給者で40歳以上65歳未満の方は、被保険者にはなりません。

 

また、重症心身障害児施設やハンセン病療養所、労災特別介護施設への入所者、障害者自立支援法上の指定障害者福祉サービス事業者である病院に入院しているもの等は、適用除外者となっています。

 

40歳以上でも、40歳以上65歳未満を「第2号被保険者」

 

65歳以上を「第1号被保険者」といいます。

 

保険者と被保険者の関係

保険者と被保険者の関係

 

 

介護の相談窓口とはどこにあるの?

介護のことで困っている、介護で悩みがある、介護保険を利用したいなど、いったいどこに相談したらいいのでしょうか。
身近にある代表的な介護相談窓口をご紹介します。

 

面談による相談ができる場所

主には以下の市町村の介護担当課、地域包括支援センター、居宅介護支援事業所の3つが代表的な場所になります。

 

市町村の役所・役場窓口

名称は様々ですが、介護保険課や高齢者福祉担当課等が相談に応じてくれます。

 

地域包括支援センター

地域包括支援センターは、市町村が高齢者の生活を支援するための事業所で保健師、主任ケアマネジャー、社会福祉士という体制で運営を行っています。
全国に4328ヶ所あり、運営形態は、直営で行っているのが3割、社会福祉法人等に委託している割合が7割となっています。(平成24年4月現在)設置場所は、公民館や老人福祉センター、社会福祉協議会、老人ホーム、介護サービス事業所の建物などの日常生活圏内にあります。あなたの町にもあります。

 

居宅介護支援事業所

居宅介護支援事業所は、ケアマネージャーが、ケアプラン作成を行う事業所ですが、介護保険全般の相談にも応じています。

 

以上は面談での相談場所のご紹介でしたが、次は電話での相談窓口をご紹介します。

 

電話相談窓口

次の窓口では電話で相談ができます。

 

社団法人認知症の人と家族の会
認知症の相談は地域包括支援センターで、できますが、電話相談も可能です。
電話受付(月曜日から金曜日 午前10時から午後3時)
電話0120-294-456

 

社会福祉法人浴風会
介護支え合い電話相談、電話受付(月曜日から金曜日 午前10時から午後3時)電話0120-070-608

 

ケアプランとは

介護の審査が終わり、要介護認定されてもすぐに介護サービスが利用できるわけではありません。その前に、介護(介護予防)サービス計画書、いわゆるケアプランが必要になります。これがないと介護保険サービスを利用することができません。

 

ケアプランとは、どのような介護サービスをいつ、どれだけ利用するかを決める計画のことです。料金については自己負担がありませんので、ほとんどの方がケアマネージャーに依頼をされています。

 

「要支援1」「要支援2」に認定された方は、ケアプラン(介護予防サービス計画書)の作成になります。地域包括支援センターに相談し作成となります。
「要介護1以上」の方は、ケアマネジャーのいる、指定を受けた居宅介護支援事業者(ケアプラン作成事業者)へ依頼します。

 

※ケアプランは利用者が自分で作成することもできますが、ケアプランの作成だけでなく介護サービス事業者との手続きや毎月実績報告の提出もあります。

 

ケアプランの内容について

ケアプランは主に次の内容の計画書で構成されています。

 

  • 計画書1:要介護認定結果や利用者・家族の生活に対する意向、総合的な援助の方針を記載します。
  • 計画書2:生活上のニーズやそれに対応した長期目標・短期目標、サービスの具体的内容、その担当者、頻度や利用期間が記載します
  • 計画書3:表2のサービス内容・担当者について、いつサービスを利用・提供するのかを示した週単位のタイムスケジュールを記載します。

 

該当カテゴリー:介護保険の基礎
関連カテゴリー:介護施設高齢者